自転車通勤を6年続けている筆者が、これから自転車通勤を始めようとする方へ、通勤ルート設定の考え方をお伝えします。
自転車通勤を始める場合、まずは通勤経路(ルート)を決めなければなりません。
自転車で通るルートを決める際、どういう基準で考えますか?
恐らく最短距離で、もっとも早く到着できるルートを選ぶのではないでしょうか。
私も初めの頃は最短、最速のルートを選んで通勤していましたが、自転車通勤を始めて6年が経過した現在は違うルートであえて少し遠回りして通勤しています。
その理由は最短、最速のルートより、例え少し遠回りになり時間が余計にかかったとしても安全で走りやすいルートのほうが結果的に楽だからです。
楽なルートが一番
自転車通勤を始めたばかりの頃は、最短ルートを探してできるだけ早く職場につくことに囚われがちです。
朝の時間は非常に大切ですからね。
私も、まるでタイムトライアルかの如く、1秒でも早く到着できるように通勤ルートを模索していました。
自転車に乗り始めた頃はそれが楽しくて、地図アプリを駆使し最短距離にこだわったり、地図に載っていない細い道を探したりしていました。
しかし現在は、最初の頃とは違うルートで通勤しています。
その理由は1秒でも早く到着するよりも、安全に職場に到着することのほうが大事だと思うようになったことと、安全な道は総じて走行しやすく、疲労感が少ないことに気づいたからです。
あくまで自転車通勤であり、レースではありません。
自転車から降りたら過酷な労働が待っています。
自転車通勤ではなるべく体力、気力を温存しておきたいですね。
なるべく楽なルートを考えるのが自転車通勤を続けるコツです。
最短距離や時間短縮にこだわると
最短距離や時間短縮にこだわり過ぎると、どうしてもルートが限定され、少々危険な道も通らざるを得なくなります。
例えば、見通しの悪い交差点などで「ここの交差点は事故が多くて怖いんだよな」と思っていても、「今まで大丈夫だった」ここを通ると「近いから」「早いから」とついつい通ってしまいがちです。
迂回してもさほど時間が変わらない場合でも、1秒でも早く到着したいという気持ちが勝ってしまいます。
こうした気持ちもとても良くわかります。
今日その日限りだったらさほど気にすることもないのかもしれません。
しかし、自転車通勤は一日限りではありません。
明日も明後日も、何回も何百回も続きます。今まで大丈夫でも明日は?
万が一という言葉もあるように、たとえ少ない確率でも何回も続けていればいつかは事故に遭う可能性があるとは思いませんか?
事故に遭ってしまっては、会社に出勤するどころではなくなってしまいます。
最悪の場合、命を失うということも考えられます。
さらに、いつか事故になるのではとヒヤヒヤしながら自転車に乗っていると疲れるんですよね。
例えば道幅が狭い道路など、大型のトラックなどがスレスレを通り過ぎて行くと生きた心地がしません。
そういった道路はなるべく避けるようにしたいです。
狭い道をビクビクしながら走行するより、広い道をのびのびと走行したほうが、気持ちも身体も楽だと思いませんか?
最短、最速ルートが安全に走行できる環境であれば何も問題はありません。
すべてが危険というわけではありませんが、どうしてもルートが限定されてしまうことは確かです。
時間にこだわり過ぎず柔軟に考え、少々の遠回りには目をつぶり、安全で走行しやすいルートを選ぶことをオススメします。
できるだけ通るのを避けたい場所
具体的に私が通らないようにしている場所は、狭くて交通量の多い場所、見通しの悪い交差点です。
まず、交通量の多い道路は自動車に追い越される時にとても怖いですし、道幅が狭いと自動車が追い越すことができずに渋滞が発生してしまいます。
道を譲ろうとしても狭くてできません。
自動車に後ろにピッタリと張り付かれると、まるで煽られているようで気持ちが焦ってしまいます。(自動車はそんなつもりはないと思いますが)
渋滞を引き起こしてしまっている申し訳無さと焦りでとても疲れます。
また、見通しの悪い交差点もできるだけ避けるようにしています。
交通死亡事故が一番多い場所はどこだと思いますか?
正解は交差点です。
令和元年中の交通死亡事故発生件数を道路形状別にみると,交差点内(34.3%)が最も多く,次いで一般単路(交差点,カーブ,トンネル,踏切等を除いた道路形状をいう。)(32.7%)が多くなっている 内閣府令和2年交通安全白書より引用
交差点は危険な場所、ということを頭に入れておきましょう。
さらに、見通しの悪い交差点の場合には、安全確認のためにスピードを落とし一時停止をしなければなりません。
事故に遭う可能性が高い、且つ時間のロスにもなるような見通しの悪い交差点は、例え距離が短くとも避けるようにしています。
距離が短くても時間がかかる場所の例をもう一つ挙げると、信号があります。
私の通っている通勤ルートの中に、信号があって距離の遠い横断歩道を渡るルートと信号が無く距離の近い横断歩道を渡るルートの2種類の選択肢がありました。
道路を横断したい時どちらのほうが良いか。
私は、距離が近く信号が無い横断歩道の方が早くて楽だろうと疑いませんでした。
距離が近く、且つ信号が変わるのを待つ時間がかかりませんからね。
しかし、結果としては信号があって距離の遠い横断歩道のほうが、楽で早いことが後にわかりました。
横断歩道を渡ろうと待っていても、自動車が停まってくれないことが多かったからです。
なかなか渡れず業を煮やし、少々遠い信号のある横断歩道を渡ってみることにしました。
すると、その信号はボタン式の信号機で、さらにボタンを押すとすぐに信号が変わるタイプで、スムーズに渡れることが判明しました。(横断歩道は押して歩いて渡ると安全です)
このように、事故の危険性が高い場所、または距離が短くとも時間がかかったり、無駄に体力、気力を消耗する場所は避けるようにしています。
自転車通勤のルートを考えよう
まずは地図アプリを使ってルートを検索しましょう。
そして、候補に挙がったすべてのルートを通ってみます。
(帰宅時など時間に余裕のある時にでも)
なぜかというと、実際に通ってみないと、どういった道路状況なのかわからないからです。
道路の状態、交差点の見通しなどは地図では判断できません。
また、交通量などは時間帯によってかなり変わってきます。
私の通勤ルートでも、朝の出勤時は交通量が少なくても帰宅時は大渋滞、といったところもありました。
さらに、年に1,2回程度、工事で通行止めになっていたり、ゲリラ豪雨で冠水して通れないといったこともあります。
色々な道を把握しておくことは、迂回ルートの確保になるので安心です。
すべてのルートを自転車で走行し、走りにくいなと思った場所は避け、時にはルートを組み合わせたりと、自分なりにアレンジしていくと良いと思います。
そういった事から自転車通勤のルートを確定するためには、けっこう時間がかかります。
新たな道を発見するのは楽しいです。
ぜひ自分だけの自転車通勤ルートを見つけ出してください。
ポイントは、例え距離が遠くなったとしても、総合的に見て楽かどうかです。